時間：2025年7月28日

ETA6497とETA6498ムーブメントの違い

ETA 6497/6498は、おそらく時計愛好家の誰もが知るムーブメントの一つでしょう。その優れた設計ゆえに、半世紀もの時を経て、懐中時計から腕時計へと形を変えながら、今なお輝きを放ち続けています。まさに老いてなお盛んな名機！本日は、このETA 6497/6498の歴史に迫ります。そして、なぜパネライ レプリカがこのムーブメントを“救った”と言われるのか、また、なぜETA 6497/6498が数多くの独立時計師を支えてきたと言われるのかについてもご説明します。

まず初めに、ETA 6497と6498ムーブメントの違いについてです。その違いは、スモールセコンドの位置のみにあります。6497ではスモールセコンド盤とリューズが平行（つまり、スモールセコンドが9時位置）に配置されています。一方、6498ではスモールセコンド盤とリューズが垂直（つまり、スモールセコンドが6時位置）に配置されています。この点以外は、両ムーブメントは全く同一の設計です。

ETA 6497/6498は長年にわたって市場に存在してきたため、もはや特許は切れています。そのため、このムーブメントを基盤として、多くのブランドが独自の「自製ムーブメント」を開発しています。例えば、モーリス・ラクロワ（MAURICE LACROIX）やドイツのSTOWAといったメーカーは、この2つのムーブメントを設計の青写真とし、独自の自製ムーブメントを生み出しました。写真に写っているSTOWAの7440ムーブメント（左図）はスワンネック式調速機を採用し、モーリス・ラクロワのML 152ムーブメントは3/4プレート構造を採用しています。卓越した設計と優れた構造こそが、ETA 6497/6498が今日まで長きにわたり愛され、進化し続けている理由なのです！

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