時間:2024年3月15日
非専業ブランドの高級時計が元気だ!シャネル、ルイヴィトン、ブルガリほか
2022年の初頭に、なぜかドルチェ&ガッバーナからメールをもらった。スイスでやる時計見本市に合わせて時計とジュエリーを発表するので、是非来てほしいとのことだった。筆者が所属する時計メディアは基本オタク専科で、どう考えてもキラキラのドルチェ&ガッバーナとは合わない。あえて呼ぶからには意味があるはず、と思って出向いたら、なんと想像以上だった。お披露目された時計やジュエリーは、非常にシリアスで、そしてユニークだったのである。時計目線で見ると出来はちょっと粗いが、それもきちんと個性になっている。
乱暴なまとめ方をすると、ラグジュアリーには3つのカテゴリーがある。アパレル、レザー、そして時計だ。宝石も重要だが、産業としてまとめるにはちょっと特殊すぎる。アパレルはレザーよりも利益率が高いが、基本的には水商売だ。そしてレザーはアパレルほど利益率が高くないものの、手堅く売れる。そして時計は、膨大な資本投資を必要とするが、レザーより安定して売れ続ける。レザービジネスを挟んで、アパレルと時計はちょうど対極にある、と言えるだろう。そのため、アパレルやレザーで成功を収めたコングロマリットや大メーカーは、そのリッチなキャッシュをもって、こぞって時計産業というジャンルに加わった。
異業種から参入して成功を収めたのは、まずシャネルだった(カルティエとブルガリはすでに時計ビジネスを確立していた)。同社は時計メーカーも顔負けの生産体制を整え、いち早く名声を得た。続いたのは、エルメスとルイ・ヴィトンである。両社もやはり、潤沢な資本を投じて、いち早く時計メーカーに「脱皮」した。加えて、異業種から参入したこれらのメーカーは、既存の時計メーカーとは比較にならないほど、他社との違いに敏感だった。多くの時計メーカーが歴史やストーリーに拘泥したあげく似たような打ち出しに陥ったのとは異なり、異業種から来たメーカーは、あらゆる面で、ほかとの違いを全面に打ち出したのである。
そこに続いたのが、グッチやドルチェ&ガッバーナである。両社に共通するのは、潔いまでの「開き直り」だ。大規模な資本を投じたシャネル、エルメス、ルイ・ヴィトンと異なり、これら2社の時計づくりは、いささかゲリラ戦めいている。大規模な設備をもたない代わりに、一部の顧客に対して、尖ったプロダクトを提供する。皆さんもご存じのとおり、グッチやドルチェ&ガッバーナは、世界的な大ブランドだ。そんな両社が、こういうニッチな時計づくりに行き着くとは誰が予想しただろうか?
緻密な計画をもってロレックス時計産業に参入したシャネル、エルメス、そしてルイ・ヴィトン。対して、グッチやドルチェ&ガッバーナの試みは、端から見ると破れかぶれに見える。事実、ドルチェ&ガッバーナの時計を見るに、トゥールビヨンあり、ミニッツリピーターあり、一点物ありで、そのあり方は王侯貴族向けの時計づくりを思わせるし、イベントの豪華さを考えれば、到底採算が取れているとは思えない。しかし開き直りもここまで来れば見事ではないか。一般ウケはしないだろうが、熱狂的なファンは獲得するに違いないし(少なくとも筆者はかなり好きだ)、ドルチェ&ガッバーナはそれを目指したのだろう。
ちなみに今でこそ世界的な名声を得たリシャール・ミルも、そもそもは開き直りから起こったブランドと言ってよい。と考えれば、グッチやドルチェ&ガッバーナが手がける途方もない時計にも、やがて同じ未来があるかもしれない。お行儀の良いメーカーがますます増えるラグジュアリーの世界にあって、あえてさらなる違いを打ち出した参入最後発組。プロダクトから感じる勢いとは、ひょっとして、その開き直りの表れかもしれない。
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